「今、若い人に着物が流行っているんですけど、
のめりこんでいる人は板張りや伸子張りに挑戦したりしているんですって」
と話したところ、「伸子張り、懐かしいわぁ」と。
「私が子どもだった頃は白い服が着られなくてね、
ほら、白って目立つでしょう?(空襲のとき標的になりやすい)
だから母が伸子張りしてね、布を染めてくれたのよ。
柿渋の染め型(?)を使って…。そういうことが好きだったんでしょうね」
なんて素敵な思い出〜。
卒業式シーズンなので、黒紋付羽織の話にもなって、
「今、訪問着を着て出席されるお母さん、多いですよ。
羽織も道中着も手に持っていないから、帯び付き姿で出席されているんでしょうね」
「あら、そうなの。私のときはどうだったかしら…黒紋付羽織…
ああ!いたわ、着ているお母さん。
前の席に座っていたんだけれど、紋合わせがうまくなくてね、
『なんであんなことになったのかしら…』ってずうっと気になっていたのよ、そうそう」
先生…職業病ですよ、それ(笑)。
先生は他にも、背縫いの倒れている方向(きせのかかっている方向)が逆だと気になり、
衿と背縫いの辺りの布目が合っていないと違和感がある、のだそうです…(ドキドキ)。
先生のお孫さんは男の子で、
「女の子だったら…と思ったりもするけど、そればっかりはね。
そう、孫の七五三には羽織を縫ったのよ。お城を背中に背負わせたの」
と笑っておいででした。
いいおばあちゃまですね〜。
そんな先生ですが
「知り合いがね『娘が着つけを習うんだけど、長襦袢の丈が長いから袖丈を詰めてくれないか』って言ってきたのよ。襦袢の袖丈なんて折ってまつればいいじゃない。それくらい自分でしなさいな、って言ってしまったわ。本人には言いませんけど、そんな人が娘をもつものじゃないですよ」
といった風な禁句爆弾を悠然と放り投げる、割とファンキーな方です。
(似たようなお願いを方々からから山ほど寄せられて、心底ウンザリしてらっしゃるのだろう 笑)。
なんといいますか、私を含め、針を持つのがあまり苦にならない人間は、
そうでない人間の気持ちがいまひとつわからないのでしょうね…。
そんなわけで、ゼッケン付けもスカートの裾上げも雑巾縫いも、
なんにも自分でしなかった(できなかった?)愛妹は、
私にとっていつまでたっても謎の生物であります。
「ひとり暮しをしてた時、ボタンが取れたらどうしてたの?」
「〇〇ちゃんに付けてもらってた」
「ああ、そういう手があるのか〜」
って違うでショ!!
この世で一番繁栄するのは、愛妹のような生物、なのかもしれない…(笑)


