観光案内、というより、著者の旅日記として読むといいかも。
旅エッセイ(?)とは思っていなかったので、
途中まで、『「ボーイフレンドとふたり旅行」を
しているつもり』で
書かれているのかと思っていました(笑)。
ちょっと高価な物を購入するとき、
『これはお嫁入り道具として、新居の玄関に飾るため、と言い訳をしながら買うの』
みたいな、メルティかつスウィートな記述がちょくちょくあるので、
「ど、どんだけ鮮明な妄想…」って軽く引いてたんですが、
幸い途中で気づきました。
あぶない(笑)。
よく通っていた喫茶店とか、古着を買いに行っていた市など、
著者が京都などに暮らしていたときの思い出もちりばめられています。
うーん…
私としては「誰かの日常だった京都紹介」よりも、
女の子とキャイキャイ言いながらの京都旅行エッセイだったらもっとよかったかな…
こちらはタイトル通り「和な文房具」をズラリと紹介した1冊。
なぜか「不明」となっていますが、『著者:柳沢小実』です。
目に鮮やかな和文房具ギッシリで、眺めているだけで楽しくなります。
便箋・封筒集めがかつての趣味だったので、もうウキウキして仕方がないわ。
タコとか桃とかフラミンゴとかの、名刺がステキ!!
ああいう名刺、いいなー、って、
名刺が必要になったこと、一度もないですけど(笑)。
「ほう…、やはり宗達は違いますな…」
ニホンビジュツって、こんなふうにちょっと「通」っぽい人が語ってる、
というイメージがなんとなくあるような気がします。
「すばらしい…この曜変天目は宇宙を感じさせますね…」
なんて唸るのは、私じゃなくて茶人とかいう人たちでしょ?
いえいえ、この本を見ると、くるりと世界が変わりますよ。
「この絵の色、言われてみるとおいしそう」
「変な兜!これかぶって戦ってたなんて、超おもしろい」
「漆御殿って、確かにチョコレートとしか言いようがないかも」
あー、こんな風にニホンビジュツを語ってもいいんだー、とウキウキしてきます。
なにしろ対談のタイトルが「物見遊山で美術館に行こう」ですから。
仏像やら屏風やら、ニホンビジュツって身近にないぶん
「勿体無い」「有難い」ものになってる気がします。
よくわかんないうちに「敷居が高いもの」と認識していたニホンビジュツを、
思いっきり遊んでみようじゃないの!
この本を読むと、美術館に「遊びに行きたく」なりますよ。
ちなみに私、
「テーマパークでデート」よりも「美術館でデート」の方が何万倍も楽しいと思っています。
(実際、テーマパークに行きたいと思った記憶がほとんどない…)
「へー、こんな感じのクッキリハッキリした絵が好きなんだー…」
「なに…?ずっと須恵器の前で止まってる…須恵器…」
「銅版画に釘付け…。実は繊細っ子?」
みたいな感じで、仲良しだから大体の趣味や嗜好は知ってるもん、と思っている人の、
意外な一面を垣間見ることができるかもしれませんよ。
今までで一番おもしろかった美術館体験は、友人3人で行った現代美術館。
「わーい!おもしろーい!」とグルグル動き回って眺める私と、
「うん、うん、面白いね」と1つずつきちんと順番に眺める真面目な友人K(観光案内役だった)、
「こういうのぜんぜん興味ないから外のソファで寝て待ってる」という友人L。
ちなみに上から、「B・A・AB」。
出身地が全員違うとかいうのを差し引いても、性格出すぎだろ(笑)。
友人Lはほんとうに徹底していて、
歴史的建造物も「姿子ちゃんひとりで見てき。私、外で待っとう」こんな調子。
でも、「こういうのが好きな人がいる」というのは理解しているようなので、
ほんとに面白いったらありません。
でも、ジブリショップでは大はしゃぎで、私と立場が逆転するという(笑)。
「おっきいネコバスがあると!!乗りたい〜…大人が乗ってもいいとかいな…」
「だいじょうぶだいじょうぶ、私が写真撮ってあげるから、ホラ!行っといで!」って。
椿の和菓子がかわいいです。
干菓子には「福俵」の文字が。
二重丸(三重丸?)の干菓子のモチーフは一体なんなのかしら…
的(まと)?

お懐紙には、ねずみと米俵の透かしが入っていました。
旧暦の行事のあれこれを紹介したもので、
「こ、これは!!」みたいな情報がてんこもり、というわけではありません。
が、著者のエッセイと絵がかわいくってほんとうに素敵です。
七緒にもちょこっと掲載されていましたが、
着物に関するイラストエッセイを読んでみたいイラストレーターさん、暫定1位です!
「捕り物帳」より「人情話」が好きな私は、やっぱり庶民のくらしにも興味があります。
つげの櫛についての頁を読んでいたとき、ふっと思い出しました。
たしか小学生くらいのとき、ものもらいになった私に、
母がおまじない(?)をしてくれたのですよ。
軽く火で炙った(触れると熱いな、と感じる程度)つげの櫛を、
「ほいた〜※ほいた〜」とかブツブツいいながら、ものもらいに当てるという、
なんだか妙チキリンなおまじない。
幼いながらも、「このおまじないでは絶対に治らない」と感じつつ、
ちょっと愉快だったのを覚えています。
女の子はおまじないが好きだから(若干魔術っぽいけど 笑)。
本文には「疱瘡を櫛に移して捨てる」「日本独自の櫛信仰」とあり、
ひょっとして母がしていたのは、
「熱い櫛を腫れたまぶたにおしあてるおまじない」ではなく、
ものもらいを櫛に移し、火で焼き払っていたのではないか…?
なーんて考えるのが、お・も・し・ろ・い!
なんでインチキ理系に進んでしまったんだろ…(独白)
友人がやってた民俗学とか方言学とか、超面白そうだったわ。
でも、あんまり歯止めが利かない性質だから、
人格や趣味・嗜好が偏らないで済んで良かったのかもしれない(笑)。
つまみ食いが一番おいしいんだもんね。
※出身地ではものもらいを「めぼいた」と言うようです。
主な呼び名が3種類あり、これが一番ポピュラーらしい。
我が家では両親が別々の呼び方をしていました。
『「ほいと」は元々「こじき」を意味する地域語形で、
語源は共通語の「ものもらい」と同じで、
「これを治すために人からものをもらう」という
無薬の治療行為と結びついて生まれたようです。』
と、ロートの「ものもらいMAP」にありました。
なるほど〜。
「ものもらい」で思い出すのが『御宿かわせみ』(著:平岩弓枝)。
るい が目を病んで紅絹のきれで目をぬぐう、というシーンで、
東吾が「色っぽい」と思っていたのが不思議だったのですよ。
その後、『目病み女に風邪引き男』なることわざがあると知ったのです。
眼病にかかった女が、しおらしくうつむいて目を紅絹のきれでぬぐっている姿、
(きっと普段はおきゃんでお転婆な娘さんなんでしょう)
風邪をひいた男の、少しかすれた声、
(おそらく江戸っ子は、「なんでぇ、これしきの風邪!」と
やせ我慢して強がってみせるんだろうな〜)
これらがなんだか、色っぽい。
と言われていたのだそうですよ。
これはもしや…
今で言うギャップ効果…!?
第二子出産を間近に控えた友人、マダム・猫(同級生)と
メールのやり取りをしていた時のこと。
お宮参りには着物で行くの、とか、上の子も着物で、とか、
被布ってかわいいよね、なんてとりとめのない話をしていのですが、
驚きの事実が発覚。
彼女、若い頃呉服店に勤務していたママに、
「年頃の女子たるもの、着物ぐらい畳めないと恥ずかしい」
と言われて育ったのだそう!
だから、和の習い事をしていて、紋付だったり訪問着だったりを持っている人が、
着物を畳めないと知ったとき、ひどくびっくりしたんですって。
それにしても…なんて格好いい家訓なんだろう…。
忘れられない彼女のエピソードがもうひとつ。
婚約者のおうちにお邪魔して、畳の部屋に通され、
座布団に座って待ち、親御さんが挨拶に来られたとき、
座布団から下り、三つ指をついて「○○と申します」とご挨拶…
「『きちんとしたお嬢さんだ』って感心されたんだけど、これ、普通よね?」
…普通だけど…なんていうか、古式ゆかしいっていうか…
多分ちょっとばかりそこはかとなく普通じゃないような気も…
矛盾してるけど、なんかそんな気がするのは私だけじゃないはず!(笑)
そう、これは…
絶滅危惧種の『大和撫子』だ!!
年齢的にムリかもしれない…でも見るたびに可愛いな〜、と思う乙女小紋。
この花は…ハナミズキ?でも草っぽくもある。架空の花なのかも。
八掛が小花(梅?)模様です。

裄が少し短いのと、衿と袖口と裾に汚れがあるので、どうにかしなきゃなあ、と思いつつ、
「洗いに出しても(年齢的に)この先何度着られるんだろう」
と手入れに二の足を踏んでしまっています。
可愛いんだけどなあ…
面白くてアッという間に読んでしまいました。
(ここでいう「アッという間」とは、「眠い…」と思い始めてから実際に寝付くまでの間です)
夏に着物からアッパッパに移っていった様子とか、
おむねがどうこうなんて昔は一切気にしなかった、とか、
「カンカン帽」と「パナマ帽」は違う、とか、
とても興味深かったです。
著者が大正生まれだと知って驚きました。
そうは思えない弾けた内容で、ぐいぐい読まされてしまいます。
アンティークの羽裏を紹介した1冊です。
羽裏らしいものから、着物と言われたら信じてしまいそうなものまで、
さまざまな羽裏が紹介されています。
こういう『見えないところに凝る』という洒落心、
日本人以外に解ってもらえるのでしょうか…?
『見えるか見えないか』の羽裏や襦袢、八掛…
ちっちゃな点で模様を表現し、意味を持たせた江戸小紋…
自分から見せるのではなく、他人に見つけてもらって、悦に入る…
そういえば、古着屋さんやアンティークショップなどで、
男物の羽織を裏返しにして飾ってあったりしますよね。
表はおばあさんが着るような地味羽織でも、
羽裏が鮮やかだったり華やかだったりすると、つい欲しくなってしまいます。
この習性、どうにかしなくては。
こんな素敵な小物に囲まれていたら…
きっと私は…
眺めるばかり…
かわいい小紋は着るのがもったいなくて眺めるばかり
かわいい半襟はつけるのがもったいなくて眺めるばかり
かわいい草履は履くのがもったいなくて眺めるばかり
で、気づくと
「あれ?なんだかこの小紋(半襟・草履)派手?!」
なんてことになっていたり…
こうやって溜め込んだ服やら靴やら小物やらが飽和しています。
洋装・和装問わず。
引っ張り出したときには、もう過去の遺物に成り果てているのです。
どしどし回転させなきゃあ!
って、思い描いていた秋のコーディネートを披露する前に、
もう(着物の)梅の季節も終わって今は桜…?
ええー?!
1年って早い…光陰矢の如し…
この本は「歳時記」と銘打ってあるとおり、
○月にはこのモチーフがふさわしいですよ、と丁寧に記載されています。
なぜこの季節にはこのモチーフなのか、
理由が明記されているので覚えやすいです。
『○○編』と銘うって、歌舞伎や能や落語の演目にちなんだ
コーディネートが紹介してあったりもします。
カラーページも豊富。
小物がいちいち素敵なんですよ〜…
刺繍は繊細で美しく、染めは落ち着いた華やかさで…うっとり。
けれどやっぱり色味がグレイッシュ。
つくづく「百鼠」、なんだなあ…
そう、『好きな物をしまってときどき眺める人』というと、
お洒落なインテリアショップのお洒落で男前で背の高い店員さん(同い年)が、
「部屋に飾るのはちょっと恥ずかしいんで、
引き出しに並べて入れて、ときどき開けて眺めてニヤニヤしてるんです」
と話していたのを思い出します。
ちなみに彼のは、ガンプラ(笑)。
着ることなく読んでばかりの日々。
「きもののひ」じゃなくて「よみもののひ」だ。
いかん。
これはいかんぞ。
しかしページを繰る手は止まらない。
カラー写真たっぷりで、見ていて楽しい「和の美」いろいろ…
著者が京都出身ということもあってか、そこかしこに京都感が漂いますが、
江戸小紋や江戸紫も取り上げられています。
で、出た!
「着物に詳しくて、かつ海外経験者が説く着物の美しさ!」
みなさん「パーティーでは日本人にもっとも似合う着物がふさわしい」と、
オリエンタルな色や柄の着物をデザインしていらっしゃる。
(「訪問着」の項参照)
海外でのパーティー…
ちょっとしたパーティー…
これから先、私が着物で出席できそうなパーティーは、
今のところ披露宴のみです…
お茶会(立礼)と、職場での新春の挨拶みたいなものには着物で出席しましたけど…
ん、お茶会はティーセレモニーでしたっけ?
結婚式や成人式やお宮参りや七五三はセレモニー(儀式)だからなぁ…
入学式や卒業式も…
卒業式の2次会はパーティーなのかな?
そういえば、昔交流のあったお嬢さんは、
「成人式は振袖に日本髪を結って、
その後のパーティーはエスティー○ーダーのドレスに着替えます」
とおっしゃってたわ…ひょっとして今でいうセレブ…?
そう、着付け教室で唯一耳にした『パーティー』は、
「知人の出版記念パーティー」でした。
仕事をされているけれど、和関連の業種ではなさそうな奥さまが
「この着物はふさわしいでしょうか?」と先生にチェックしてもらってらしたっけ。
続いてこちら。
ページをめくってすぐに、
「あれ?これ前にも読んだっけ?」とデジャヴュ…
でも奥付を見ると去年の11月25日発行になってる…
このテの本を読み漁った人間からすると、
「い、今さら…!?」な感じはあるかもしれませんが、
そうでない人には逆にいいのかもしれません。
なにしろ、出て出て出きって、その後に出ている本なので、
いい所をついているはずなんですよ。
なんていうんだろう、洗練されているっていうのかな?
洗練されてる、って自信を持っていないと出さないだろうし…
風呂敷の使い方から和菓子の作り方まで、
ちょこっと知りたいアレコレが載っています。
手ぬぐいの項はかまわぬさんが提供(?)しているので、
各項を彩っている手ぬぐいを見て「あ!これ持ってる!」なんて楽しみもありそう。
私は「和菓子」の項の桜の手ぬぐいを持っていますよ。
ちなみに、「和の装い」の項は秋月洋子さんがアドバイザーです。
や…やっと読みました…!
面白くてついイッキ読み…
↑中高生じゃないんだから、徹夜はよしたほうが…
文楽って、なんだかとっつきにくくて難しそう…と思いがちですが、
この小説は、文楽に携わっている登場人物が、
「役に共感できない」と悩んだり、
「なんでコンナヤツ(演目に登場する男)がもてるんだ?」と疑問に思っているので、
文楽に馴染みがない人でも楽しめると思います。
恋やら愛やら、人間の気持ちってものは、
今も江戸時代もかわらないんだ、と。
普遍だから、今に残っているんですねえ。
そしてそして…
勝田文だ…!!
表紙が勝田文ですよ!
(三味線の人、燕三さんにちょっと似ている?)
私がしつこく「面白い面白い」と紹介し続けていた勝田文!
す、すごい…
『悶絶スパイラル』は雁須磨子が表紙だし…
『まほろ駅〜』は山田ユギで漫画化だし…
(下村富美(小説挿画) 版も見たかったなあ…)
ただただ「すごいすごい」の繰り返しです。
(思わず着物話じゃなくなってしまうくらい)