桁が違うハイブランドのTシャツに、仕立てのいいプレタポルテのスーツ、
イタリア製のたっかい革靴や、ありえないお値段の普段用バッグなど、
ちょっと生活に余裕がありそうな男性をターゲットにしてるんだろうな〜、というお店でした…
まあ…Tシャツはともかく、男モノって流行り廃りがあまりないから、
ある程度の年齢になったらこういうところでお買い物をした方がいいんだろうね…
さて、置いてあった反物などはこちら↓
白地に紺の古典柄の綿麻反物と有松の総絞り、無地の麻の反物…
お洒落な鼻緒の下駄…正絹の角帯…絞りの兵児帯…
当然男物なので、「ふーん」と思いながらじろじろ見ていると、
(シマダマサヒコ+トクイ)÷2みたいな、比較的整った顔立ちの店員(店長?)が、
「着物が気になりますか?」と声をかけてきました。
「ええ…まあ…(薄笑)」(←盛り上がると面倒くさいので逃げ腰)
「この綿麻なんか、粋ですよね」…んー、古典柄だし、趣味は悪くないな。
「こっちは総絞りで」…ふうむ…総絞りか…これも趣味はいい。
この店員さんは数年ほど京都に住まわれていたそうで、
そのせいか(?)話の中に「粋(いき)」という単語が何度も登場しました。
なんていうか、若干うっとうしかったので、
あなたね、「粋」を狙って着るなんて、野暮でしょうが。
「あの人、粋ね」って言われるくらいにならなくちゃ。
だいたいさ「粋ですよね」って同意を求められてもねえ。
個人差があるでしょ。
だいいち、京の都は「粋(いき)」やのうて「粋(すい)」どすえー、
と随所にツッコミを入れながらほとんど聞き流していたのですが…
「自分はこの麻の着物に兵児帯を締めたいですねー。
やっぱり、普通の帯より兵児帯の方が粋じゃないですかー」
と俺流の着こなし論を展開し始めたので、
私のめんどくさい気持ちがピークに達しました…
あのさー、悪いけど私、成人男性の兵児帯って認めてないんだよねー。
着慣れてない人ほど角帯の方がいいと思うわけー。
初恋が「長七郎江戸日記」のサトミコウタロウだったというのもある(本気)。
着流し姿が格好よくて格好よくて…サムライ結びっていいわあ…
だってさ、兵児帯ってよっぽど着慣れた人じゃないと、
どうしてもだらしなくみえちゃうじゃない。
現代人の薄い体型(特に胸が貧弱)で浴衣を着ると、
胸元はグズっとはだけちゃうし、
細い腰に兵児帯を結ぶとダラーンとして寝巻きみたいだし、
あなたのすすめる「持ち重りのするいい兵児帯」って、
細くて小柄な人がつけると、ちっこい浮き輪みたいになるわよ。

そもそも透け感のある麻を浴衣風に切るってどういうことー?
下のステテコが透けちゃうんじゃなあい?
この店、下着は置いてないみたいだけど、大丈夫?
それに麻って、シワになるわよ。
シワシワ麻浴衣に兵児帯って、よっぽど着慣れた遊び人じゃないと、
サマにならないんじゃなあい?
「この麻、産地はどこですか?」え?多分京都?京都はないんじゃない…?
産地もわかんないのに「粋」「粋」言いすぎー。
…なんとまあコウルサイ娘さんで…(自分に辟易)
(「姿子ちゃんはしゃべったらいかんったい」と友人や近親者から言われ続けるだけのことはある)
しかし…「こだわりのあるカッコイイ俺」オーラがむんむんの店員さんだったので、
私の心の声が聞こえていたら大喧嘩だな(笑)。
来年は図案から関わった浴衣が登場するそうなので、今から待ち遠しい限りです。
ふふふ…お手並み拝見…。
こういう気持ちになったあと、いつも強く思うのですが、
「オシャレな店のオシャレで格好いい店員さんが『粋です』ってすすめてくれた着物はいいなあ〜」
「麻着物と兵児帯の相性は抜群なんだなあ〜。やっぱりオシャレな人は違うねえ」
「こんな素敵な着物をすすめてくれた店員さんに感謝しなくちゃあ」
……こういう思考回路の人間の方が幸せな人生を歩めるに違いないよね……。
とにもかくにも、不満足。
満足したくて頑張り続けるんだけど、絶対に満足しないって…
なんだか悲しい気がするんですけど…治らぬ〜


