「袴のたたみ方難しいですよね?特に紐のたたみ方、覚えられそうにありません…」
「確かに覚えるまでは難しいでしょうねえ」
「袴って、膝のあたりに折り目がつくじゃないですか、あそこがピシっとしてないと格好悪いですし…」
「そうよねえ。男の人の袴姿はいいものなんだけどね」
「折り目正しくないと…」
「あと、恰幅もよくないとねえ」
「そう!丹田っていうんですか、おヘソの下でグッと締めて!」
「そうそう!そうでなくちゃ」
「あなた、学生さんの久留米絣と綿袴がいいんでしょう?」
「ああ〜いいですねえ〜」
「カラー(絣の着物の下にシャツという意味)でね」
「はい!!で、学帽かぶって、風呂敷に本を包んで!」
「高下駄でしょう?」
「そうです!!で、その人を木に隠れながらこっそり見つめるんです!もちろん三つ編みで!いや、今の私だとトウが立ち過ぎてますけどね!」
「…あなたそれ…私が言うのもなんだけど…ずいぶん古いですよ…?」
「昭和…いや、大正?め…明治?」
「あなたが結婚したら私、言うわよきっと。
『あの子、久留米久留米って言ってたけど、ようやく現実に気付いたのねえ』って」
「平成に戻ってきた、って…?」
わたくしは、妄想の世界で暮らしております…。
友達も割と、そんな感じ(笑)。
しかし…先生にここまでぶっちゃけてしまって大丈夫なのだろうか…。
この日の私は、花粉症(喘息)の薬が合わず、全身が小刻みに震えていました。
ちょっとテンションがおかしいのは、そのせいです。
針に糸を通すのも一苦労でした。


